titech07math 123448


東大院試H22A第1問

1:sector :

2010/07/25 (Sun) 00:37:40

東大の過去問解いている人いますかね?
もしいたら平成22年の専門Aの1番、行列の階数の問題なんですけど、計算ごり押し以外にすっきり解く方法、分かる人どなたか助言をください。
一応、detA≠0位はすぐ分かるんですけど…
2:バルタン星人 :

2010/07/25 (Sun) 08:10:19

Jordan標準形を考えると簡単かも知れません。
(1)は、Aの固有多項式が0を重根に持つ事
(2)は、Aの固有多項式が0を三重根に持つ事
と同値です(Jordan標準形の形を見れば明らか)
あとは高校数学の範囲になります。

Jordan標準形に移す基底の変換を求める必要は
ないので、計算量は増えないと思います。
3:バルタン星人 :

2010/07/25 (Sun) 10:06:02

うーん、ちょっと飛躍していますね。
上に書いたのは必要条件です。
これに階数の条件がもう一つ加わりますが、
しかし、例えば(1)はdetA=0と合わせて
二つの関係式が出てきます。もしこれと
階数の条件が独立ならば、a,b,cは完全に決定
されてしまい問題の意に反するので、
「問題がきちんと作られている」という前提から
この二つの関係式を満たせば階数条件も満たすはずです。
同様に(3)は、三重根の条件から三つの条件が出ます
(detA=0は特性方程式が0を解に持つ条件なので、
これに含まれる)。
従って階数条件がこれに独立であると問題が解けなくなる。

という事で、出来るのではないでしょうか。
ただ私はまだきちんと計算していません。
4:sector :

2010/07/25 (Sun) 11:56:49

最初の発言、何か意味不明なことを言ってますねorz
detA≠0とすると、detA^2≠0になって、AもA^2も全射になって、ともにrankは3。よって、detA=0が必要。

必要条件しか出ないことを考えると、やはりジョルダン標準形か…もうちょっとためしてみます。
5:sector :

2010/07/25 (Sun) 12:19:29

バルタン星人さんの解放を拝借すると、
(2)の値は
(a,b,c)=(-3,8,-5)
のようになりましたが、もう少し解法を吟味しようと思います。
(1)に関しても、
(i)x=0を特性根にもつ
(ii)x=0以外の根が重根、もしくはx=0で重根をもつ
が条件っぽいですが、なかなか煩雑な条件式になりそうです。逆に、(2)は
(iii)x=0を三重根にもつ
なので、計算は楽(?)ですね。
間違いなどあればご指摘お願いします。
6:バルタン星人 :

2010/07/25 (Sun) 12:48:08

(1)に関しても、
(i)x=0を特性根にもつ
(ii)x=0以外の根が重根、もしくはx=0で重根をもつ

x=0以外の根aが重根を持つと
000   000
0a0 か 0a1 がジョルダン標準形になり
00a   00a
二乗しても階数は減らないのでは?
7:バルタン星人 :

2010/07/25 (Sun) 12:50:48

因みに、最初に階数の条件と書いたのは、
問題に書いてある階数の条件ではなく
ジョルダン細胞の個数を勘定する上で、
必要となる階数の情報です。
8:バルタン星人 :

2010/07/25 (Sun) 13:13:16

一応補足しておくと、(2)について
固有多項式が0を三重根に持つ場合
ジョルダン細胞の個数が1,2,3個の場合それぞれ
010 001 000
001 000 000
000 000 000
となるわけですが、左の行列の時だけ
問題の条件を満たしてくれます。
つまり0が三重根の条件に加えジョルダン細胞
が1個である事が、必要十分なのですが
三重根の条件で全部決定されてしまうので、
そうして決定された行列は、当然ジョルダン細胞を
一個しか持たない筈です。

そうでなければ、この問題は解けない、
つまりそのような値は存在しない事になります。
9:バルタン星人 :

2010/07/25 (Sun) 13:30:04

とは言え、実際の解答に

問題が適切に作られている事からジョルダン細胞は
一つしかないので…

と書くわけにはいかないので。
実際に階数が減る事を直接計算で示すしかないですね。
ジョルダン細胞の個数が一つしかない事を示すのも、
結局は行列の階数を調べる事になるので、全く同じ事です。
10:sector :

2010/07/25 (Sun) 20:47:38

確かに少々早とちりをしてました…
Aのジョルダン標準形が
010
001
000
だと、
rank(A)=2,rank(A^2)=1,rank(A^3)=0
となり、(2)の条件を満たします。よって固有多項式がx^3=0になるような値を求めますが、その値は
(a,b,c)=(-3,-1,4)
となります(これは計算間違いをしてました)。
このとき、x=0に対する固有ベクトルは1本しかとれず、ジョルダン標準形は上の形になります。よって、満たす値としては上の値でよいはずです。

バルタン星人さんのご指摘の通り、
x=0以外の根aが重根を持つ
このとき、Aは2乗しても階数が減らず、不適になります。よって、x=0が2重根を持つときを考えることになります。
固有多項式の解がx=0,pであるとして(p=a+3が計算できます)、p=0、すなわち、a=-3であるときには上の議論から(1)の解等としても満たしているので、p≠0であるとします。このとき、ジョルダン標準形は
010   000
000 か 000
00p   00p
になりますが、右のほうは条件を満たさないので、左のほうになってくれればよさそうです。
したがって、条件としては、
3a+b+3c-2=0
a+b+c=0
の2式を満たし、かつAが対角化できないときに(1)の条件を満たす、これでよさそうです。この条件は、例えば、
b=-1で、aとcはa+c-1=0を満たす実数
となり、aを任意の実数として、c=-a+1として計算すると、x=0に対する固有ベクトルは1本しかとれず、ジョルダン標準形は左のようになります。

以上より、解答としては、
(1)は
b=-1、a+c-1=0を満たすa,c
(2)は
(a,b,c)=(-3,-1,4)
となります。
少々議論が飛んでることもありますが、概ねの流れはこんな感じでしょうか?にしても、これで基礎レベルか…さすが東大。
11:バルタン星人 :

2010/07/25 (Sun) 21:23:49

ジョルダン標準形を用いる、という処に気づけば
あとは機械的な計算で出来るので、それが念頭にあるか
どうか。

有限群論における構造定理、シローの定理などと並ぶ
線形代数の基本的定理ですから、行列の問題を見た時には
常に念頭に置くようにしたいですね。
12:バルタン星人 :

2010/07/25 (Sun) 22:22:50

関係ないですが、東大院試22年度B第11問の複素解析。
等角写像論に於けるSchwarz-Christoffelの公式を
使う問題だと気づくのに結構時間が掛かりました。
全くこの公式が念頭になかったので、全然ダメです。
当然、これが試験なら解けないところでしたが、
まぁ試験勉強は基本的に盲点を減らす、デバック
みたいな作業ですからね。

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